一瞬の風になれ
今回の小説は、元陸上部員が出てくるのです。
というわけで、「陸上関係の小説を参考にしよう。何かなかったかな」と思ったときに、思い出したのが、掲題の本でした。
佐藤多佳子さん著で、1から3まで出ています。
読みはじめてすぐ、「うわぁああ」と驚愕した私。
「なんでこんなに面白い本を知らなかったんだ、私のバカー!」って感じでした。
初版は2006年。もう7年も前です。私は7年間一体何をしていたんだ、と悔やみました。
面白いです。マジで面白いです。
読んだことがある方は「なにを今更…」という感じでしょうが、念のため、内容をご紹介。
高校に入って陸上を始めた神谷くんという元サッカー少年が主人公で、彼の一人称で物語は綴られていきます。
その一人称が、なんとも面白い。特に、幼なじみで天才肌の連くんに対する表現が実に多彩。
試合を前にテントの中で眠っている連くんに対して「アップ不要休養必要」とかいう表現が、ぷぷ、って笑ってしまった。
「みんながアップする場面で、こいつは寝てるし」みたいな厭味とも愛情とも受け取れる表現が、さらっと書いてあるところが「粋」ですよね。
(すいません、私の稚拙な文章ではこの面白さが表現できないデス)
機会があれば、ぜひ読んでみてください。
私はこの方の本を読むのは、これが初めてかもしれません。
偏食して、長野まゆみさん本ばかり読んでいましたが、これを機に、もう少しいろんな本に手を出してみようと思います。
この作品にはまだまだ遠く及ばない私ですが、図書館で一所懸命集めた知識で、物語を作っていきたいです。
本当は、生の声や生の知識が一番欲しいのですが、陸上部員の知り合いなんていないし…。
だいいち、私という人間自身が、運動系からは程遠い人種ですし(なにをトチ狂ったか、高校ではバドミントンやってましたが)。
でも、本を読んでいたら、陸上の試合を見にいきたくなってきました!!