夏目友人帳24巻の感想とネタバレ(各話とも詳しく)
芹澤です。
5月2日発売の「夏目友人帳24巻」を早速買ってきました。私が購読している数少ないシリーズです。
以下ネタバレとなりますのでご注意ください。
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第95話&第96話「苦手なふたり」
冒頭、多軌が美形の彼氏と歩いていた……からの「実は兄でした」パターン。
大学生の兄・勇が突然帰省。しかし不自然なほど頻繁に出掛けていって「避けられているのでは」と思い悩む多軌に夏目が声をかけます。
兄の目的は古いノートから出てきた「とある鍵」がどこの鍵かを探ること。夏目、多軌、兄の三人(あとニャンコ先生)で鍵穴を大捜索……というお話。
お兄さん、カワイイ系の見た目でしたね。目つきは違うものの夏目によく似ています。
鍵は亡き祖父から兄がもらったもので、その中にはまだ生まれていない妹(多軌)へのプレゼントが入っていたのです。うん、いい話だ。
本筋とは少し逸れますが「一言いえば済むのに」っていう行き違い現実でもありますよね。お互いに遠慮や気兼ねして「言えずにいた」せいで更に悪化したりこじれたり。
今回は夏目がほんの少しの勇気を出して「話して欲しい」と言ったのが良い結果につながったのだと思います。
あ、最後に大事なことを。
「君になら妹を任せてもいいかもしれないな」ってお墨付きもらえましたね。良かったね夏目(西村との関係がどうなるかは知らない)。
第97話&第98話「怪しき来訪者」
田沼の元にやってくる奇妙な来訪者。「思い出の場所」だと言ってあちこちに田沼を連れて回るのですがその目的は……というお話。
お久しぶりの三篠(ミスズ)が人間の姿で登場します。うむ、イケメン。
彼の目的は田沼の中に宿っている友人ササメと勝負すること。田沼に宿ったままでは勝負できないので思い出の場所を巡って早く離れてもらおうという算段でした。
田沼から見た夏目とササメから見たミスズの心境が重なります。友人でありながら力の差を痛感させられる。それを「心が痩せた」と表現したササメは詩人ですね。
ミスズとササメの勝負の結果は「人になど話せない」そうです。互いだけが知っていればいいのです。
特別編20「幕間探偵」
名取主演の映画をみんなで観に行き、停電の合間に犯人を推理し合うという短編。
みんな頭いいなぁ。私も夏目と同じで「あやかし絡み」にしか見えなかった。
答え合わせのシーンはありませんでしたが、田沼の読みが当たりじゃないかな。
ただ気になるのは「次も殺せばいい」というセリフは一人目ないしは二人目を殺したあとにしか言えないセリフだと思うのですが、オウムが覚えてしまうくらい時間が空いていた(覚えるだけの時間・回数があった)のでしょうか。で思いがけず自分が三人目になってしまった……のか?ううむ。執念って恐いですね(ざっくりしたまとめ)
というか婚約者が三人も立て続けに死ぬって、御曹司……。
第99話「ビューティフルドリーマー」
珍しくカタカナのタイトル。折り紙人形に宿ったあやかしが自分を保護してくれた夏目に「美しい夢」を見せてくれるというお話。
美しい夢とは言いつつ折り紙人形が世界各地で見てきた風景のようです。ウユニ塩湖とかかな。ほんわかした良いお話でした。
最後に本物の姿を見せた折り紙人形のあやかし(ちょっと不気味な姿)が「長い髪がさらりと揺れてにこやかであれば良かったのに」と告げた言葉。冒頭で西村がそんなような子を見かけて「清楚っていいよな!」「はは、そうだなぁ」と夏目が応じていたからですよね。
つまりこのあやかしは夏目のこと好きになったの?と裏読みしてしまいました。まぁあれだけ大事にされていたら……どうなのかな、わからない。
以上、ネタバレ含む感想でした。
夏目友人帳もほんと長く続いていますね。私としてはそろそろ進展を…と思わずにはいられませんが、夏目には薄氷の上を歩むような危うさがあるので何かが起きたらすべてが壊れてしまいそうな怖さがありますね。
今巻では多軌の兄からお墨付きはもらえましたが、そっち方向に話が進むことはないでしょう。恋愛絡みになるとただの修羅場と化してしまいますし、作品の雰囲気に合いません。
これからもきっと静かに、ゆっくりと進んでいくのでしょう。