あとがきにかえて

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※ご注意ください※
今回のブログはいじめ等に関するちょっとシリアスな内容となります。
見たくない・興味ないと思われる方はバックしてくださいね。

改めまして。
先日エブリスタ主催の氷室冴子青春文学賞に投稿いたしました(リンクは画像の下です)
今回のブログは『あとがき』のかわりとして書くものですので、もしお時間ある方はぜひ作品を読んでみて下さい。
(ちょっと長いのでしおり機能などご利用ください)


「三年後に死ぬ私とアクアリウム教室」
いじめられていた私がタイムリープしたのは三年前の入学式。今度こそ、失敗しない。

……はい、読んでくださった方もそうでない方もありがとうございました。

どうだったでしょうか?
この文学賞のテーマである「青春」と言えば、学生時代の甘酸っぱい恋愛や懸命に取り組んだ部活、日々の悲喜こもごもといった未熟ながらもひたむきな姿が思い浮かぶと思いますが、今作はそれらとは大きく異なります。

テーマは「いじめ」
以前カミングアウトしましたが私も中学時代にいじめを受けていました。
ですから「青春」と聞いたときに浮かんだのは、上記に挙げたような輝かしい学生生活ではなく、思い出しても胸が重くなるような苦い過去でした。
作中の冒頭で「私」が祈った言葉は私自身の気持ち言葉そのものです。

いじめと言うとタブー視や批判の対象になりがちで内心びくびくしていたのですが、一度過去を清算しようと思って執筆を始め、一月半ほどで書き上げました。
まさかこんな日がくるとは思いもしませんでしたので、このような機会を与えてくださったエブリスタさんに感謝いたします。

もしかしたらいま現在、そのような辛い状況に直面している方がいるかもしれません。
この作品がなんらかの良い影響を与えられればいいのですが、残念ながらそこまでの力はないと思います。
ラストまで読んで頂ければ分かりますが、いじめの解決策を示すようなものではないからです。

ただこれだけは自分の経験としてハッキリ言えます。

私も当時ぼんやりと死を意識したことがありましたが、
「なんであんな奴らのために死ななきゃいけないの?バカみたい」
と、がむしゃらに『生きること』にしがみつき、卒業から数十年経ったいま当時を思い出して『小説のネタ』にしました。
フィクションではありますが大いに利用してやったのです。
こんな図々しい元いじめられっこもいるのです。
(とは言え、これだけ時間をかけないと自分の中で昇華できなかったのも事実ですが)

最近は「いじめに遭ったら逃げていい」と寛容な風潮が出てきましたが、個人的にはそんな簡単なものではないと思います。
特に自分はいじめられていることを家族の誰にも言っていませんでしたので、逃げるためには『家族に打ち明ける』という巨大な壁を乗り越えなければいけなかったのです。
一見「家族なんだからそれくらい簡単でしょ」と思われるかも知れませんが、能天気でのほほんとしている両親にそんな深刻な事実を告げたら、唯一の癒しでもあったのほほんとした空気が一変する危機感があったのです。
と同時に、カワイソウと憐れまれたくないという妙なプライドもありました。

気遣われ、憐れまれる……そんな息苦しい日常を送るくらいなら、ひた隠しにして三年間耐え続けてやる!と決意したのです。
いつバレるのかヒヤヒヤしながらも学生生活を続けるうちに、いじめのターゲットも別の同級生に移っていきました。
そして無事に卒業。しかも無遅刻無欠席。私は勝ったのです。

今作を執筆するにあたって、どうすれば「解決」できるのかをずっと考えていました。
ですが結論は出ませんでした。
クラス替えをしても、いじめっこが謝罪しても、自分が転校したとしても……笑われ、冷やかされ、否定された心の傷は癒えないのです。
でもだからと言って自ら命を絶ってしまうのはあまりにも悲しいし、もったいないと思います。
「生きていたらいいことあるのか?」という問いかけに答えはありませんが、どんな幸運な人でもいいことばかりが起きるはずがないように、少なくとも「悪いことばかりが起きるはずがない」とは言えます。
事実私の高校生活は月並みに充実していました。

なんだか取り留めのない話になってしまったのでこのあたりでやめさせて頂きますね。
解決策ではありませんが「いじめる側」の心理を考える上で興味深い本を見つけたのでついでにご紹介します。

ヒトは「いじめ」をやめられない (小学館新書)
中野 信子
小学館

今回は深刻な内容になってしまいましたが、次回からはいつものように軽い感じでブログ更新するつもりです。
最後に、ここまでご覧頂いてありがとうございましたm(_ _)m

Posted by serizawa