推敲は何回する?
芹澤です。
ただいまみらい文庫大賞に向けて鋭意執筆中です。
さる2月14日、初稿があがりました。
もともと計画性がないのでその日の気分次第で進捗が変わるのですが、この日は「いける」「書きたい」と自分の中の執筆欲がMAXになっていたため最後まで書き上げることができました。
40文字 × 28行設定で67ページ(約44,000文字)になりました。
さて、問題はここからです。
書き上がったばかりの初稿はこのまま投稿できるものではありません。
なんといってもプロットなしです。頭の中にあるアイデアを手あたり次第放り込んだ欠陥だらけの問題作。料理でいえば塩にコショウにソースにマヨネーズに、と大量投入したような代物です。
こんな問題作を劇的にメイクアップするのが「推敲」です。
いくらでも手直しできるという点では料理とちがって便利ですよね。
私の場合は平均的に3回推敲していますが、今回はその内容についてご紹介します。
1回目の推敲では欠けている穴を埋める
まずは、最後まで書き上げた自分を褒めましょう。ご褒美に甘いものなんか食べるといいかもしれませんね。
それはさておき。
書きながら「あーここの設定詰まってないな」「この点不自然だな。あとで考えないと」と頭の中に引っかかっている点はいくつかあると思います。
もちろんその場その場で解決できれば良いのですが執筆にはある種の「勢い」が必要です。
この先の展開はイメージできている。一刻も早く続きを書きたい!そんな衝動に駆られている時に一々細かい点で立ち止まりたくないのです。
つまり推敲の1回目ではこれらの問題点と向き合うことになります。
正直、これが一番苦しい作業です。
たとえば推理ものでトリックが曖昧なまま最後まで書き上げたらサイアクです。
しかし自分ひとりで執筆したのでなんとかするしかありません。がんばりましょう。
ここで心の支えになるのは「最後まで書き上げてある」という自信です。
トリックがうまくいかないからといって結末を考え直すのはやめましょう。自分を追いつめるだけです。(もっともそれが最良だと思うのなら自己判断で)
2回目の推敲では全体を見直す
ひととおり物語の欠陥が埋まりました。万歳。
次は全体の構成を見直します。
・物語の世界観がぶれていないか
・キャラの言動に不一致(違和感)がないか
・作中の単語を統一(漢字orひらがな)
・誤字脱字
2回目と言いつつ冒頭から最後まで何回も見直ししますね。
もし余裕があればこの段階で知り合いに下読みをお願いするのも手です。
辛口・甘口・見てほしい点などの具体的な要望を伝えておくと的確なアドバイスをもらえると思います。
忖度のないアドバイスは時にショックも大きいものですが、まずは時間をかけて読んでくれたことに感謝しましょう。私自身も下読みをさせていただくことがありますがアドバイスできるほど深く読み込むのって本当に大変なものです。
悔しい気持ちをプラスに変えて「みてろよ。ブラッシュアップして受賞してやるからなー」くらいの気概でいましょう。また、アドバイスしてもらったことをすべて盛り込む必要もありません。
3回目の推敲は最終点検。
さて残りわずか。
冒頭から最後まで読み返します。ワードの音声読み上げ機能など使うとよりよいかもしれませんね。
ついでにこちらも確認しましょう。
・応募する書式(〇文字×〇行)
・規定ページ枚数(句読点のぶらさがりを解除したときに上限ページを超えそうな場合は注意)
・一字さげ(テキストファイルに変換すると抜けに気づきやすいです)
・あらすじや応募要項を記載
※このとき「あらすじ」がすんなり書けない方は要注意。あらすじが書けない=作者自身が物語を把握していないということは何か問題点がある証拠。他人が読むと「?」になってしまいますよ。
最後に
いざ投稿となると不安で何回も何回も見直しをしてしまうかもしれません。
ですが闇雲に手を入れれば入れるほど「悪くなる」ことが多いように思います。
極論ですが、本作で受賞できなくても死ぬわけではありません。気楽にいきましょう。
ご武運を祈っています。