書籍化デビューするための正しい努力とは?
こんにちは、芹澤です。
書籍化デビューを目指してあちこちに小説を応募しているのに、何故か、結果がでない。
自分には才能がないのかな…と不安になることがありませんか。
かくいう私も10年以上ワナビのままでした。
才能がない、なんて、とっくに分かりきっていましたが、それでも諦めずに書き続け、ようやく受賞に至りました。
ですが受賞したのは児童文庫、しかもジャンルはホラー。
「いやいや、私は青春ラブコメみたいな明るい話が好きなのに…」と思っていましたが、実は違うんじゃないか…というお話です。
正しい努力、とは?
デビューするためには「正しい努力」をしないといけないよ。という言葉を聞いたことがあります。
「努力」と聞いて何を思い浮かべるでしょう。
多くの人は「書くこと」「投稿すること」「本を読むこと」など数をこなすことを努力と捉えているでしょう。
仕事や学校、家事やプライベートの時間をやりくりして小説を書いて、投稿している。
本だって読んでいるし、レーベルの研究だってばっちり。
こんなに努力しているのに受賞できないのはたまたま運が悪いだけで…と愚痴りたくなりますよね。
ですがこれ、書籍化デビューにつながる努力ではないのかもしれません。
少なくとも、私のように何年も投稿生活を続けているのに未だデビューできていない人にとっては「正しい努力」とは言えないでしょう。
「努力」の捉え方を勘違いしているのかもしれません。
好きなジャンル=得意ジャンルではない?
私は青春ラブコメみたいなキラキラしたお話が好きです。
少女漫画やコバルト文庫を読んで育ってきた世代なので漠然とした憧れがあって「胸がキュンとなるような甘酸っぱい話を書いてみたいなぁ」なんて一時はラブコメばかり書いていました。
ですが結果は奮わず。
公募に出しても一次とか二次が精いっぱいで手応えが感じられませんでした。
極めつけは先日のカクヨムコンで惨敗したこと。
年末年始かけて10万字書いたんですが、PVはわずか四桁でした。
頑張りました。努力しました。でもダメでした。
なんでダメだったんだろう、とずっと考えていました。
話の展開が遅い?キャラに魅力が不足していた?PRが足りなかった?コンテストに出遅れたから?
いろんな考えが頭の中を駆け巡っていき……
私、ラブコメ書くの苦手かもしれない。という答えにたどり着きました。
思い返せば、ラブコメを書きながら「この先の展開どうしよう」「どんな事件があったら二人の距離が縮まるんだろう」と悩むことが多かったのです。
本を読んでても表面上をさらっと流すだけで、結末以外はあまり覚えていなくて、ストーリー展開やエピソードなどの「ラブコメ展開の引き出し」が少ないことに気づきました。
本屋や図書館で手に取るのはちょっと不思議な現代ファンタジ―ばかりで、ラブコメってあまり読んでないような…?
そんな状態でラブコメを書いても、目の肥えた読者さんにとってはつまらないよなぁ、という結論に至ったわけです。
好きで、憧れていても、それが自分の得意ジャンルとは限らない。
ホラーは好き……ではないけど、書くのは得意
ラブコメとは逆に、あまり好きではないけれど、得意なジャンルについて。
それがホラーでした。
先日卒業した大学のゼミでは「ホラージャンル」をテーマにして論文を書きました。
じつはホラーにも様々な分類があります。
・幽霊や悪魔などが登場する王道オカルトホラー
・音や雰囲気、日本の廃村や廃墟を舞台にしたジャパニーズホラー
・ゾンビが徘徊する終末感の強いゾンビ系ホラー
・凶悪なモンスターが暴れるモンスター系ホラー
・非現実な世界観が描かれるファンタジー系ホラー など
もし興味がある方は「リキッド消費におけるホラーコンテンツの存在感〜Z世代1200人調査から見える現状と可能性〜 」(著者:八塩圭子)で検索してみてください。PDFで見られます。
こちらにもインタビュー記事があります↓
私はゾンビ系やパニック系ホラーは苦手ですが、謎解きやファンタジー要素があるホラーには興味があります。
小説では長野まゆみ先生や恒川光太郎先生、漫画だと「ぬ~べ~」や「地獄少女」「夏目友人帳」、ゲームだと「零」シリーズでしょうか。
おどろおどろしい雰囲気がありつつも、耽美で、五臓六腑にじわじわと染みわたるような恐怖がとても好きです。
こう書くと「ラブコメよりもホラーの方が好きなんじゃん!」と突っ込みが入りそうですが、つい最近まで自覚がなかったんですよ。
ホラージャンルで受賞したことで「私もしかしてラブコメよりこっちの方が適性があるのでは?」と初めて気づいたんです。
青春ラブコメのようなキラキラした表紙に憧れ、スレイヤーズのような爽快な魔法バトルに憧れ、いつか自分もそんな話が書いてみたいと夢見ていたのに、本能は正直で、自分の欲望に忠実なものをちゃんと取り込んでいたんですね。
胸キュンエピソードは浮かばないのに、主人公が逃げ惑う恐怖エピソードはいくらでも浮かんでくるのが不思議です…(笑)
正しい努力をするための自己分析をしてみよう
これは最近読んだ本から流用したものですが(後ほど紹介します)、自分の得意ジャンルを見つけるために四つの分類をしてみましょう。
まずは感情として「書きたい=好き」か「あまり書きたくない=嫌い」か。
※便宜上の「好き」「嫌い」であって、ジャンルそのものを嫌悪しているというわけではないです。
次にこれまでの公募成績を客観的にみて「得意」か「苦手」か。
※なにをもって「得意」「苦手」に分別するかですが、私は「得意」は二次通過以上が複数回、「苦手」は選外や二次落ちが複数回としました。
※できればプロが審査する「公募」の成績を基準する方が良いと思います。カクヨムコンやなろうコンなどの読者選考はコミュニケーションスキルが求められるので、あまりに参考にならないと思いますので。
私の場合はこんな感じになりました。
好き×得意・・・ホラー
好き×苦手・・・ラブコメ、恋愛
嫌い×得意・・・ファンタジー
嫌い×苦手・・・書いたことがないもの(SF、推理、歴史もの)
このように分析することで、努力する方向性が見えてくると思います。
「好き×得意」を極めるもよし。
「嫌い×得意」を知って、自分としてはあまり書きたくないけど好成績を収めているものに注目し、手本になるような作品を探すもよし。
なかなか結果が出ていない方は、一度立ち止まり、自分の得意・不得意なジャンルを見つめ直してはいかがでしょうか。
私は「憧れ」という感情に引っ張られて視野が狭くなっていましたが、過去の成績を見直す中で「ホラー」という可能性に至りました。
自分でも「いやいやホラーなんて…」と首肯できませんでしたが、書き始めるととても楽しかったんです。
近年は書いても書いても結果が出なくて精神的に疲弊していたのですが、ホラーを書いていると、小説を書きはじめた頃の「好き!」「楽しい!」感情が溢れ出してくるような気がしました。
もちろん小説における「ジャンル」はきっちり分けられるものではないですし、レーベルカラ―や応募時期によって成績も変わってくるでしょう。
なので、この方法が絶対ですよ!と言うつもりはありません。
あくまでも自己分析の手法の一つと考えてください。
私自身もまだ書籍化の目途が立っていませんが、せっかく時間をかけて書くなら楽しい方がいいですよね。そして結果が出た方が嬉しいですよね。
この記事が皆さんの役に立つことを願っています。
▶参考にした書籍はこちら。
チームドラゴン桜が東大受験の勉強ノウハウをまとめた一冊です。
東大にいかなくても日常でも役に立つことが書かれています。マンガも収録されていてなかなか面白いですよ。
(私が購入したときはノーマル表紙だったのに、サクラつきに変わってる。いいな…🌸)