小説の使いまわし投稿はダメなの?~電撃の使い回し受賞作とプロの意見から考える~

2021-05-21エッセイ

芹澤です。

ワナビ歴が長くなるにつれ、たくさんの小説を書き、多くの賞に応募する機会が増えますよね。

 

「A賞の締切に向けて執筆しているけれど、B賞にも応募したい…!でも時間がない!」

 

そんな切羽詰まった状況で、過去に落選した作品を応募しようと思ったことはありませんか?

いわゆる「使いまわし」ですね。

 

使いまわしについては否定的な意見が多い印象ですが、実際はどうなのでしょう?

ちょっと調べてみました。

※真偽不明な部分もありますので、参考程度にどうぞ。

 

使いまわし(または改稿)で受賞した作品

「86-エイティシックス-」

電撃小説大賞に応募して一次落ち → ラストを少し加筆して再応募したところ大賞受賞!という超有名な使いまわし作です。

ワナビ間では「使いまわし」をする際には「86」が例に挙げられることが多いです。

現在9巻まで刊行中。2021年4月よりアニメ放送中なのでこの機会に1巻からご覧ください!

 

「タタの魔法使い」

GA文庫大賞で三次落ち → 数年後、電撃小説大賞を受賞した作品です。

ただしタイトルのみでの判断ですので、内容を改稿した(或いは、していない)のかは本人しか分かりません…。

全3巻。

 

「君の膵臓をたべたい」

電撃小説大賞で一次落ちしたものをネットに掲載していたところ、出版社の目に留まって出版されたという噂です。

受賞作ではありませんが、話題になりましたので例外的に取り上げました。

 

すみません、これしか見つかりませんでした。

タイトルやペンネームを変えて応募した場合は当然追いかけられませんし、中身を何割手直ししたのか本人と出版社にしか分からないことです。

 

なお私の場合はGA最終落ち→ファンタジア大賞四次落ちの経験があります(一部改稿しました)

こちらの記事で少し触れています↓

 

プロのご意見【一部抜粋】

わかつきひかる先生

落選には理由があります。
1.カテゴリーエラー
2.選考委員の好み
3.つたない

(中略)

3の場合は、「使い回し」をしても無駄です。
1と2は、どんどん「使い回し」をするべきです。著作権法上も、何ら問題はありません。

小説家わかつきひかるのブログ

 

作り手(ワナビ側)の能力に言及していますね。

わかつき先生がおっしゃる「3.つたない」は文法の間違いやストーリーの起伏がない、登場人物の書き込みが浅い、など小説の基本的な部分ができていない作品のことを指しています。

基本ができていない小説をいくら投稿してもムダ。

それより先に優れた作品を書き写してみなさい、とのことです。挙げられていたのは下の2作。

私もやってみようかな…。

 

榎本秋先生

新人賞を出版社が行うのは新しい才能と出会いたいからで、落とすために行っているのではありません。
新人賞の運営には、賞金以外にも多数のお金がかかります。それでも必要だから行っているわけです。

とまぁ。新人賞の運営側でも少しでも皆さんの才能と出会いたいと思っていて、今回の作品では、受賞は難しい場合でも才能を感じた場合は、連絡をすることがあります。

最近、選考シートが戻ってくる賞が多いのもその当該の賞にまた応募してほしいという気持ちも大きいのかなと思っています。

そんな感じで丁寧に才能を探してもらえているという状況なので、私は落選原稿の再利用はおすすめしていません。
デビューが決まったときのためにストックしておけばいいと思うからです。デビューしたら次から次へと書いていかないといけないわけで、デビュー前の段階から原稿がたくさんあるのはとてもいい事なのです。実際、私が、編集者をしていたときはデビューする方の今までの応募原稿などもよく見せてもらっていました。

榎本秋プロデュース創作ゼミ

 

こちらは出版側の視点に立ったご意見ですね。

出版社は時間とお金をかけて丁寧に作品を探しているので、才能の片りんがあれば自ずと見つけられますよ。

その時に見せられるようストックとしておきましょう、ということですね。

 

※榎本先生はワナビにとっての教科書をたくさん出版されています↓

ワナビ歴10年の管理人の見解は…

最後になりますがワナビ歴10年(自慢じゃない)の管理人から私見を。

「使いまわし、しますよね?」

会社員はとにかく時間がないんです…!

過去作であろうがなんだろうが1%でも受賞の可能性があるのなら、それに賭けてみたいんです…!

 

ただ、過去作を読み返したときに「これはないわ…」と絶句することも多々あります。

キャラクターは性格や口調が変わって破綻、ストーリーは行き当たりばったり、山場の創り方が下手……まるで自分の黒歴史を見させられているようで、目を覆いたくなります。

そんな時はイチから書き直し。つまり新作と同じですね。

 

これは極論ですが。

公募小説はアイデアがすべて。アイデアに絶対の自信があるのなら、使いまわしてみましょう。