読書感想文に近い
久しぶりに本を買いました。
少し前から気になっていた「夜市」(著:恒川光太郎)と「カルトローレ」(著:長野まゆみ)です。
どちらも文庫本なので、既にご存知の方はたくさんいらっしゃると思いますが、
もし知らない方がいらっしゃいましたら、リンクなど貼り付けておきますので、ご参照ください。
えーと、まず、「カルトローレ」はだいぶ前に図書館で借りて読んでいました。
装丁がきれいなんです、とっても。でもお金がなくて、なんだかんだしているうちに買うのを忘れ、
文庫本になったのを機に買ったものです。
あらすじは、リンクをご参照ください。
長野さん作品を読むと、私は度々こんな感情を抱くのですが。
一言で言えば、「なんだかよくわからないけど、スゴイ気がする」というものです。
事件らしい事件もありません。いくつもの謎が提起されますが、はっきりとした種明かしもありません。
砂浜の砂を掴むとさらさらと落ちていってしまうような、手応えと呼んでいいのかすらわからない、不思議な気持ちになります。
それでも読んでしまう。それでも気になって仕方ない作品です。
相変わらず文章が素晴らしいです。日本語って素晴らしい!って感銘します。
そもそも私が小説応募をはじめたのは長野さんがきっかけでございました。
「夜市」は角川文庫の2011フェアの冊子の中で見つけた一冊です。「弟を売った」というくだりに惹かれました。
なんとなくオチは想像できていましたが、それでも読後は切なかった。
泣けるとかそういうんじゃなくて、心の琴線にふっと触れていくような、後引く淋しさや切なさがいい。
血のつながった兄弟って、長い歳月一緒にいるせいか、
一番身近で、だからこそ、ないがしろにしがちで、でも心のどこかでつながっているという安心感があって、
うまく言葉にできない微妙な関係だな、と思いましたし、思います。兄と妹がいる実体験として。
どうやら私、兄弟(姉弟)ネタに弱いらしい。「選ばれ~」も兄妹。「弟影」も姉弟。「月皮」も兄弟。
いま書いている小説も姉弟です。「弟影」とはまた違ったタイプの。
いまのところ私の小説で出てないのは姉妹ですね。
でも、これはいいや。私生活でよく見てるから。