初めての書籍化作業で感じたこと・考えたこと

2024-11-09執筆活動

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せりざわです。

こちらでの報告が遅くなりましたが、来る11月7日頃、人生で初めての本が発売されます!(以下宣伝)

 

転校生はおんみょうじ!あらすじ

森崎花菜(もりさきはな)は、ちょっぴり人見知りで怖がりな小学五年生。
ある日、親友の友美とともに向かった公園で木の根に食べられそうになってしまう。助けてくれたのは見知らぬ少年、黒住アキト。
花菜のクラスの転校生だったアキトは赤茶色の猫・赤ニャンを従える「おんみょうじ」だという。
なりゆきでアキトとともに「鬼退治」をすることになる花菜だったが──。

 

すばらしいイラストはriri様。美麗です。

 

執筆活動をはじめて10年超……我ながらよく頑張ったなぁ、と感慨深い気持ちです。

本を出すことは夢ではありましたが、実際の書籍化作業は初体験です。

今回は「知らなかったなぁ…」「思ってたのと違う」と感じたことを差し支えない範囲でまとめます。

書籍化を目指す方はもちろん、興味がある方など、ぜひ参考にしてください。なお出版社や本のジャンルによって違うと思うので、あくまでも私のケースとして紹介します。

 

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改稿作業の大変さ

コンテストで受賞してから1年と10カ月。ここまで大変長い道のりでした。

 

特に改稿作業。

編集さんからアドバイスを元に改稿を進めていきましたが、恐らく10回以上、5万字以上の加筆修正をしたと思います。

話の筋を変えたり、キャラが登場する順番を入れ変えたり、ホラー要素を増やしたり…。

ご存知と思いますが、小説は、一部分を変えればそのままOKということは少ないです(推敲作業をイメージして頂ければ分かりやすいと思います)

例えば元々その場にいるはずのキャラの登場シーンを変えたら、その後の会話も変えなくてはいけません。

新たな要素を追加したり、逆に要素を減らしたら、それに連動してあちこちに手を加える必要があります。

どこで何が起きているのか、作者はすべて把握している必要があります(当然ですが)

 

実はこの作業が始まる前に、編集さんからあることを言われました。

「編集者のアドバイスを受けるも受けないも作者さん次第ですよ」と。

「え?」という感じでした。

だって必要だからアドバイスをするのであって、その通りに直せばお互いwin-winなんじゃないの?と。

 

かねてより私は、受賞さえしてしまえば、あとは「いい感じ」に編集者さんがグレードアップしてくれると頭のどこかで甘く考えていました。

他力本願、というか、他人任せだったんです。たぶん。

言われたとおりに直した小説が爆死したらそれは編集さんの責任だよね…?と無意識に考えていたんだと思います。

でも、そうじゃないんです。

 

たとえば主人公の性別を変えましょう、とか、いま流行りの要素を入れてキャラ設定を変えましょう、その方が売れる可能性が高まります!と言われたら、受け入れるでしょうか。

受け入れるのも、受け入れないのも、もちろん作者次第です。

ゆずれる部分と、ゆずれない部分。物語の芯。核。根底にあるもの。大事にしているもの。

クリエーターの皆さんにはそういうものがきっとあるはずです。

この物語を活かすも殺すも作者の責任で、だれかのせいにはできないのです。

 

私は、この作業を通じて読者さんのことをたくさん考えてました。

この本を手に取るのはどんな子だろう?

小学生かな、中学生かな?

普段はどんな生活をしているのかな?

本はたくさん読むのかな。マンガやアニメも観るのかな?

どんな展開だったら楽しんでもらえるかな…?

特に意識したのは「子ども向けだから」という甘い認識を捨てることでした。

この作品を手に取る小学生(想定)は、きっと普段からホラーに親しんでいる子たちでしょう。生半可なホラー要素ではきっと満足してもらえない。だから本気で怖がる(夢に見る)くらい怖くしてやる…と。

ただバランスは大事です。

私自身はホラーが好きですが、だれも幸せにならない後味が悪いホラーは苦手です。どうしても救いが欲しくなる。最後の最後、もうダメだ!と思ったときに助けてくれるヒーローが欲しい。

幸いにしてこの話は「おんみょうじ」が出てきます。

怖い要素もたくさん入れましたが、それだけではない話になったと思います。

 

キャラ設定の大変さ

イラストを描いていただくにあたり、キャラクターシートを書く必要があります。

でも、ふだん小説を書くときにそこまで細かく考える人は少ないと思います。見た目や年齢、髪型や服装などは描写しますが、それはあくまでも読者さんに想像しやすくするための簡単なものです。

ぼんやりとしたイメージは自分の頭の中にだけあります。

でもイラストとして描いてもらうためには、このキャラはこういう子です、とイラストレーターさんに提示しなくてはいけません。

年齢、髪型、目の色、利き手、癖、服装……考えることが山ほどあって、キャラメイクが得意ではない私は悩んでばかりでした。

登場人物の花菜ちゃんたちは小学生なので、「小学生の女の子」「服装」「流行り」などのキーワードでネット検索してイメージに近いキャラを探したり、好きなマンガのキャラからイメージを膨らませたり。

そんな中で役に立ったのが、キャラメーカーのサイトでした。

 

花菜ちゃんは引っ込み思案だから大人しい、友だちの友美ちゃんは活発だから肌は日焼けしてて髪の毛は短く……いくつかのパターンから選択していくうちに、イメージが具現化していくのが分かりました。とても楽しかったです。

また利き手や癖などは深く考えたことがなかったので、この作業を経て自分の中のキャラクター像も鮮明になっていきました。

 

ですが悩んだのは顔や髪型以外です。

たとえば花菜ちゃんが髪を結んでいるシュシュ。今どきのシュシュってどんなの?

今どきの小学生ってどんな服装しているの?

そして「おんみょうじ」の武器って?

赤ニャンは猫だけど普通の猫じゃない。じゃあどんな姿?

ネットの画像を検索しまくって必要なピースを埋めて提出しました。イラストレーターさん、あとは頼みます…と丸投げして。

その結果、想像より何百倍もすてきなイラストになっていて、本当にriri様に感謝です。

 

そういえば一人だけ、大きく見た目が変わった人がいます。先生です。

イラストを見て「うん、正解」と思いました。

(興味ある方は試し読みへ↓↓↓)

 

さて、長くなってきたので、今回はここまで。

もう少し書きたいことがあるので、次に回したいと思います。

それでは、また。

 

Posted by serizawa